アウトソースの場合は、もっと不思議な現象が起こる。たとえば都銀のD銀行でシステム部門を担当していた行員が、「IBMとつくったジョイントベンチャーに当行のシステムをまかせるから、いついつからそちらへ移ってくれ」と言われたとする。しかし、勤務する場所が変わるのかと聞けば、引っ越す必要はないと言う。仕事の内容が変わるのかと聞けば、いままでどおりにしっかりやってくれたまえと言う。給与が変わるのかと思えば、IBM側は同じ条件でいいと言っている(あくまで仮定の話だが)。大企業の意味が変わるトラフィック革命で企業の何か変わるかと言えば、情報コストという制約条件が急激に小さくなることによって、「会社」という枠組の意味も非常に小さくなるのではないだろうか。むしろ、部門部門がどんな価値を生み出せるか、個々人が何を生み出せるかのほうが重要になってくるのではないかと考えられる。さしあたって、アンハンドリングとリハンドリングの影響をもっとも大きく受けるのは、いわゆる大企業だろう。
ワールド・ワイド・ウェッブでは情報の識別はURL(ユニフォーム・リソース・ロケーター)で行っていますが、このワールド・ワイド・ウェッブのなかで指標を設定する対象になる情報は、ワールド・ワイド・ウェッブの体系を支えるHTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)という言語で書かれたものばかりではなく、従来のGopher(ゴーファー)、FTP、そのほかの形式で蓄えられていた情報も示すことができるようになってきています。その結果、いま使われているワールド・ワイド・ウェッブ用のソフトウェアは、インターネット上のあらゆる情報の取得に利用できる、とても便利なものになりました。これがあまりに便利なので、いまインターネットのユーザーは大きく広がっています。多くのユーザーが非常に便利なソフトウェアを利用して、インターネット上に蓄積された情報の恩恵を受けるようになりました。そのこと自体はよいのですが、インターネットの情報を摂取するだけの人がどんどん増えてくると、かえってインターネット上に蓄積されて置かれている情報や知識の発展が停滞するのではないかという心配もあります。そのためにはいまのようなインターネットへの参加の仕組みを考えていく必要があるかも知れません。
CDはアルバム/シングルともに微減なのに対して、音楽配信はここ3年急激に伸び続けている分野となっている。音楽配信が絶好調という原動力になっているのは、「着うた」「着うたフル」などの携帯電話向けサービスだ。実は先の売り上げの9割前後が、携帯電話向けサービスからという「稼ぎ頭」になる。07年における実績を見ると、着うたが248億5700万円(同1%増)、着うたフルが343億7600万円(同91%増)と、これだけで4分の3を占める状況だ。携帯電話向け音楽配信は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルといった携帯電話事業者が力を入れて展開しているほか、ソニー・ミュージック・エンタテインメント(SME)やエイベックスといったレコード会社自身や、ドワンゴなどのIT企業も参入している。