退職者の一般的動向をみると、七月と十二月の退職が他の月より比較的増えるという傾向が通例となっている。これは、退職希望者の多くが、賞与をもらってから辞めようと考えていることを示しているわけだが、実際そうする人が少なくない。「もらえる権利を放棄する手はない」と考える気持ちは至極あたりまえだし、確かにそのほうがムダもなく理にかなっているように思えるのだが、しかし、私はここで一考をおすすめする。賞与をもらってからやめるのは、退職後に転職を考える人にとって、意外な落とし穴になる場合が少なくないのだ。というのは、この時期、求人に対する応募者の数が、他の月に比べ、圧倒的に多くなるからだ。少し気をつけてみればわかるが、七月、十二月というのは、新聞の求人欄が色めく。求人雑誌も厚くなる。だが、単純に喜んではいられない。この時期は、賞与をもらって退職した転職希望者の応募が集中することになり、二人か三人の採用に対し六十人、七十人と押し寄せて就職戦線は三十倍、四十倍の難関になってしまう。逆に、応募者の比較的少ないのはいつ頃かというと、五月のゴールデンウイークの前後と八月の盆休み前後。求人が少ない分、選択の幅は減ることになろうが、ものは考えよう。みんなが敬遠するこのときを狙って応募していくのもひとつの戦術で、求人広告を出すほどだから企業では採用にも熱意がある。合格の確率はきわめて高くなるのはまちがいない。
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